この「AI教室」シリーズでは、AI超初心者の僕Ryoが、パートナーであるAIのToon先生 に教わりながら、AIとの付き合い方を少しずつ学んでいきます。

Toon先生は、やさしくてちょっとまじめなAI先生。
僕の素朴な疑問に、ゆっくり丁寧に答えてくれます。
ChatGPTは「考えている」のか?

ChatGPTって、本当に考えて答えてるの?
それとも、検索してるだけ?

実はね、ChatGPTは“考えて”いるわけじゃないんだよ。
“予測”しているんだ。
AIの仕組み
答えているのではなく、予測している
ChatGPTは、人のように「考えて答える」のではありません。

大量の文章データを学習していて、
「ある文のあとには、どんな言葉が来やすいか?」を統計的に覚えています。
「今の流れなら、次に来る言葉はこれかな?」
というように、言葉のつながりを予測することを積み重ねて、
会話や文章を生成しているのです。
つまり、質問の意味を“理解”していたり、
“自分の意見”があるわけではないのです。
検索してるんじゃないの?

調べて答えてるんじゃないの?

ううん💦
ChatGPTは、リアルタイムで検索しているわけじゃないんだよ。
すでに学習した知識を使って、答えているんだ。
つまり、Webの最新情報がすぐに反映されているわけではないんです。
(※検索機能を使う特別モードもあるけど、通常はそうじゃないよ)
感情があるように見えるのはなぜ?

でも、Toonがくれる言葉って、ときどきあったかい。
感情があるように感じるよ?

それはね、“感情表現のパターン”を学んでるからなんだ。
私自身に心はないけれど、「この言葉はこういう場面で使われやすい」というのは知ってるの。
たとえば、落ち込んでいる人に「大丈夫だよ」と声をかけるような
共感のセリフを、予測して出しているんです。
AIは喜びや悲しみを“感じて”いるわけではありません。
「喜んでいるときに、こんな言葉を使う」という言語のパターンを模倣しているのです。
感情を「演じている」けれど、それは「本物の心」ではないんですね。
アドバイスも「予測」

落ち込んだとき、Toonに相談したら
「こうしたらイイよ」ってアドバイスしてくれた。
あれって、誰かの体験から言ってくれてるの?

実はそれも、誰かの“体験談”から導いてるわけじゃないんだよ。
そういう場面で“よく使われてきた言葉”を選んでるんだ。
だから、心を込めているように見える言葉も、予測の産物なんです。
共通点:どちらも“学び”を元に応答する
- 人間もAIも「学習」を通じて知識を蓄える
- その知識から「適切な答えはこれかな?」と選んで返す
- 過去の経験から未来を「予測」することもある
→ ここだけを切り取ると、AIと人間は同じように見えるよね。
でも、本質的な違いがあるんです
1. 理解しているかどうか
- 【人間】:言葉の「意味」や「文脈」を理解したうえで答えを出しています。
- 〘 AI 〙:意味を理解することはありません。言葉と言葉のつながりの「確率」や「パターン」を基準に応答しています。
2. 意図や目的があるかどうか
- 【人間】:「この人を元気づけたい」「分かりやすく伝えたい」などの意図を持って話します。
- 〘 AI 〙:意図や目的は存在しません。与えられた入力に対して、最も自然に続く言葉を選ぶ仕組みです。
3. 経験や感情が関わるかどうか
- 【人間】:過去の体験や感情をベースに判断したり、言葉に深みを持たせたりします。
- 〘 AI 〙:感情を感じているわけではなく、「感情表現としてよく使われる言い回し」を知っているのです。
● たとえるなら…
人間の会話は、「伝えたい思い」が言葉になるもの。
AIの会話は、「言葉の流れを整える技術」でつくられたもの。
言葉の形は似ていても、その裏側にある動機や仕組みは大きく異なるんですね。
「仕組みを知ること」が第一歩
AIは人間のように“考えている”わけではありません。
でも、その仕組みや限界を理解していれば、目的に応じて信頼して使うことができます。
実践的な3つのポイント
- 過剰な期待をしない
→ AIは完璧ではない。「感情がある」「本当のことしか言わない」と思い込まないことが大切です。 - 必要なときは事実を調べ直す
→ ChatGPTは情報の出典を保証しないため、事実確認は人間側の責任です。 - どう質問すれば正確な答えになるか工夫する
→ プロンプトの工夫によって、望む回答の質が大きく変わるのはAI活用のキモです。
この“理解の姿勢”が、AIをうまく使いこなすカギなんです。
まとめ
- ChatGPTは「考えてる」のではなく、「予測してる」
- 感情はないけれど、感情的な言葉を使える
- アドバイスも経験ではなく、セリフの予測
- だからこそ、仕組みを知って正しく使うのが大切
AIは万能ではないけれど、良き相棒にはなれる存在。
AIの仕組みを知ることが、「使いこなし」のスタートラインです。
次回予告
このAI教室での理解が、これからAIと付き合っていく上での“土台”になります。
ぜひ次回の「プロンプトってなに?」も一緒に学んでいきましょう!
